自分のことを、初心者とはもう言いたくないから。

はっきり言えば、自分は初心者なんじゃないかな。
正直に告白すると、みなさんの話を聞いていて、適当に話をあわせている自分がいるわけですよ。DASとかさ、EnsMartとかさ。どういうものかは知っているけど、でもそれはいわば教科書レベルの知識であって、使おうと思っても使えないもん。だって、使わないし。やはり、現場にいないと自分のものにならないのかな、と思う。「いっぱい勉強してマスターした」ときより、ささやかでも「仕事をした」という実感が自分なりに持てたときが初心者を卒業したと思えたときなんじゃないかなという意見は、もっともだし自分でもそう思う。
と、逃げはここまでにして。
さて、自分なりの実験プロトコルを紙ベースででもまとめるのは、自分が見直すためでもあるし、訊かれたときのために「はい」と渡して済ませるための手段として有用だと思う。特に、wetの実験なんざ、jobを投げてしばらくぼんやり、という感じでもないし、こういう風に書けばよいなんて、スクリプトをコピペして渡すとか、画面ダンプを渡すなんてことは難しい上に、だいたい1日では終わらないことが多いので、教える方としても、足手まといと言えば、そうだろう。だから、

  1. 師匠が説明しながらやるのを脇で見ている。メモする。試しにやってみる。
  2. 弟子が自分なりにやるのを、師匠がそばで見ていて、アドバイスする。
  3. 弟子がひとりでやってみる。(わからんときには、師匠にすがる)

という3ステップをとるわけです。厳しいことを言えば、3ステップ目で脱・初心者なわけだ。
私は、人にその技術を教えるべき立場になったら、それはもう脱・初心者だと思う。「教えるべき」というところがミソで、私のように、DASなんか使ったことないです、という人でも、あんだけさんざん話を聞いただろう、と言われれば、初心者ヅラなど到底できないし、自分でもそう思っている。
実際に、私が自分なりにやってみたことを、自分ならどうする? と訊いてみて、「こんなんDASでこう書きゃすぐじゃん」と教えてもらおう、という魂胆はある。で、それを、Webででも公開することで、多くの人間が脱・初心者できるのでは、と思う。だって、そういうのができたら、ここに書いてあるから、お前のことを初心者とは呼ばせん、と言えるもんね。自分を初心者と呼ぶのは自由だけど、世間は初心者にさせてくれないんだよね。いつまでも初心者と呼ぶ自分自身に対して投げかけてみる。車は走らなきゃ曲がれない。何でも自分から行動を起こすことが大事だ。
昔なら、BLASTのこんなオプション知らないのかよー。とか、PubMedのこういう機能はおさえなきゃー。とか、半ば揶揄する意味で(本人は啓蒙のつもりだが)初心者という言葉が使えたんだけどね。今は、いい本があるからなー。でも、人に訊かれるようになると、失敗も重ねるし、原理まで知らなきゃと思うようになるから、実際に、初心者から精進していくんだよね。
ミニ・エッセイになってしまった...